先週、道東の帯広市に行く用事があったのですが、ちょっと足を伸ばして、1987年に廃止された旧国鉄士幌線という鉄道の遺構を見に行ってきました。帯広市から北へおよそ60kmのところにある、糠平湖という湖の近くに点在しています。

shihoro1

糠平湖へ向かう国道沿いで見かけた景色。太陽の熱で暖められた畑の土から湯気が上がっています。北海道の農村地帯に春の到来を告げる景色です。




shihoro2  


しだいに山の中に入り、糠平湖に続く道を走っていると、目の前で突然何かが動いて思わずブレーキ。





shihoro3


エゾシカです!あわてて向こうへ逃げて行くのですが、そっちは私が行く方向なんだよ~。





shihoro4


しばらく車の前を走り続け、このあとようやく右側の林の中に逃げ込んでいきました。



shihoro5


鹿と遭遇した場所のすぐそばに、最初の目的地「第三音更川橋梁」がありました。1936年竣工、現存する鉄道用コンクリート橋としては北海道で最も古いものだそうです。







shihoro6


工事の様子の写真もあります。




shihoro7


これが現在の様子。アーチの径間32mは道内最大だそうです。




shihoro8


春以降は周りの木の葉が茂ってしまうので、今の時期のほうが見やすいかもしれません。




shihoro9


次第に風化が進んでいるので、補修のための募金も行っているそうです。




shihoro10


さらに糠平湖方面に進んでいくと、こんなアーチ橋もありました。上にあった鉄橋はすでに撤去されています。




shihoro11


線路があったところには木が育っていて、年月が経っていることが感じられます。




shihoro12


振り返って見ると、トンネルの出口の上には旧道の跡が。昔の人は、よくこんな険しいところに道路や鉄路を作ったものですねえ・・・。




shihoro13


糠平湖には温泉街があるのですが、その中にある「ひがし大雪自然館」に立ち寄りました。




shihoro14


この地域の自然環境や歴史についての展示があります。




shihoro15


この付近に残されているアーチ橋をまとめた地図もありました。14カ所もあるんですね。上を歩けるようになっている橋もあるそうです。








shihoro16


温泉街からさらに山の奥へ。糠平湖の湖畔の道を、今日のメインの目的地に向かいます。




shihoro17


国道からの入り口がわかりにくくてしばらく右往左往しましたが、ようやく見つけました。




shihoro18


森の中を200mほど歩きます。この時期の雪は堅く締まっているので、歩きにくくはありません。








shihoro19                     

        
「標識がちゃんとあるから安心だなあ」と写真を撮っていて、ふと視線を感じて左を見ると・・・




shihoro20


わっ!いた!









shihoro21


りっぱな角を持った雄のエゾシカです!






shihoro22


しばらくこっちを見ていましたが、やがて悠々と歩み去って行きました。




shihoro23



さらに奥へ進みます。雪の上には動物の足跡がいっぱい。熊が出ませんように・・・。







shihoro24


木々の向こうに、凍った糠平湖が見えてきました!





shihoro25


今回見たかったのは、湖の向こう岸に見える「タウシュベツ川橋梁」。今から60年ほど前まで使われていました。遠いので小さく見えますが、全長130mあります。


shihoro26


この橋は、湖の水位が上がる夏から秋にかけては湖面の下に沈み、冬になるとまた姿を現します。そのため、「幻の橋」と呼ばれています。


shihoro27


ヨーロッパの歴史遺構を思わせるような、不思議な光景です。




shihoro28

そばの説明板に「旧国鉄士幌線に関する詳しい情報は鉄道資料館で知ることができます」と書いてあるのですが、資料館は残念ながら3月まで冬期休業中でした・・・。





shihoro29


明るい日差しが春の雰囲気を感じさせる森の中を、国道まで戻りました。




shihoro30


これは帯広に戻る途中。溶け残った雪と黒い土、緑の芽を出した秋まき小麦、そして日高山脈。十勝らしい、とても美しい景色でした。




これらの「旧国鉄士幌線コンクリートアーチ橋梁群」は「北海道遺産」にも指定されていて、鉄道マニアの人々の間では有名なところです。タウシュベツ川橋梁への道は一般車は通行制限があって入れませんが、現地のNPOが主催する、橋の近くまで行く有料ガイドツアーがあるそうです。また、夏季にはかつての鉄路を使った足こぎトロッコに乗る体験もできます。鉄道が好きな皆さんにおすすめのスポットです。


ひがし大雪自然館 → http://www.ht-shizenkan.com/ (日・英・繁・簡)
ぬかびら温泉郷  → http://www.nukabiragensenkyou.com/ (日本語)
NPOひがし大雪自然ガイドセンター(タウシュベツ川橋梁有料ガイド)
         → http://www.netbeet.ne.jp/~shizen/ (日本語)
森のトロッコ「エコレール」 → http://www.ecorail.jp/ (日本語)